お年寄りが笑顔になる!地域密着デイサービスのはじめ方
(齋藤史洋著/ナツメ社)
【参考】デイサービス開業で融資がおりた実例をもとに解説しています。
- 地域密着型デイサービスへの移行に関する法改正情報
- デイサービス開業のための事業計画の立て方
- 法人設立
- 物件探し
- 人員基準・人材の募集の注意点
- 介護事業者指定申請
- 創業融資・資金調達ノウハウ
などのポイントを解説しています。
通所介護を開業するためには基準として定められた人員を確保する必要があります。通所介護の指定申請に必要な人員基準は以下の通りです。
管理者
原則として通所介護の事業所を管理する業務に専従する常勤の管理者が1名必要です。
例外として管理者は、管理者としての業務に支障がない場合に限り、他の職種を兼務、または同一敷地内にある他の事業所との兼務が認められます。
この兼務とは、例えば1日のうち4時間を管理者、残りの4時間を生活相談員や介護職員として業務を行うことなどを言います。
また、管理者に特別の資格は必要ありませんが、ご利用者様の命を預かる介護事業という特性上、やはり知識や経験を公的に証明することができる有資格者であることが望ましいと言えます。
生活相談員
サービス提供日ごとに、通所介護の提供を行う時間数(提供時間数)に応じて、
専ら当該指定通所介護の提供に当たる生活相談員が1以上確保されることが必要です。
提供時間数に応じて専ら通所介護の提供にあたる生活相談員を1以上確保するということは、
当該職種の従業員がサービス提供時間内に勤務する時間数の合計を提供時間数で除して得た数が
1以上となるよう、勤務延時間数を確保することです。
生活相談員は、必ずしも常勤職員である必要はありませんが、
生活相談員又は介護職員のいずれか1名が常勤でなければならないため、
通常は生活相談員を常勤とするケースがほとんどです。
生活相談員となるには、「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」の有資格者、
または「これらと同等の能力を有する者」である必要があります。
「これらと同等の能力を有する者」の取り扱いについては、
実務経験が必要とされる期間などが各自治体で異なるので確認が必要なポイントです。
【生活相談員よくある質問Q&A】
Q 人員配置の計算の基となる「提供時間数」については、通所サービス計画上の所要時間に基づく配置となりますか?
それとも実績に基づく配置となりますか?
A 通所サービス計画上の所要時間に基づき配置します。
Q 通所介護事業所の生活相談員がサービス担当者会議に出席するための時間については
確保すべき勤務延時間数に含めることができますか?
A 通所介護の生活相談員がサービス担当者会議に出席するための時間については、
確保すべき勤務延時間数に含めて差し支えありません。
看護職員
原則として通所介護を提供している時間帯に看護職員の業務に専従する常勤の看護職員が1名以上必要です。
例外として看護職員は、同一敷地内にある同一法人の他の事業所、施設等と連携および支援体制が確保できる場合は、通所介護の看護職員業務に支障を及ぼさない範囲通所介護提供時間帯の一部の時間帯について専従しないことができます。
看護職員は機能訓練指導員と兼務ができます。
なお、2名以上の看護職員が在職し、配置によっては重複する時間に介護職員として業務を行うなど他の職種と兼務が可能です。
看護職員は、利用者が10名以下の小規模通所介護においては介護職員を配置することで差し支えありません。
看護職員となるには、「看護師」「准看護師」の有資格者である必要があります。
介護職員
原則として通所介護を提供している時間帯に介護職員の業務に専従する介護職員が1名以上必要です。
介護職員は必ずしも常勤である必要はありませんが、前述の生活相談員または看護職員のいずれか1名が常勤でなければなりません。
なお、2名以上の介護職員が在職し、配置によっては重複する時間に生活相談員として業務を行うことなど他の職種と兼務が可能です。
介護職員は、利用者が15名までは1名以上、5名増える毎に1名の増員が必要です。
また、介護職員に特別の資格は必要ありませんが、ご利用者様の命を預かる介護事業という特性上、管理者同様、知識や経験を公的に証明することができる有資格者であることが望ましいと言えます。
機能訓練指導員
機能訓練指導員が1名以上必要です。
機能訓練指導員となるには、「理学療法士」「作業療法士」「言語聴覚士」「看護師」「准看護師」「柔道整復師」「あん摩マッサージ指圧師」の有資格者である必要があります。
機能訓練指導員についてよくある質問Q&A
Q 個別機能訓練加算をとる予定がないので、機能訓練指導員を配置しなくても問題ないでしょうか?
A【回答】
通所介護の目的の一つは、必要な機能訓練を行うこととされており、人員基準において「日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者」を1名以上配置することとなっています。
よって、加算取得の有無に関わらず機能訓練指導員を配置しないことは人員基準違反となります。
その他
また、通所介護の指定基準ではありませんが、送迎や調理、事務について専門の人員を配置する事業所もあります。
「専ら従事する」・「専ら提供に当たる」とは?
※管理者・生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員
原則として、サービス提供時間帯を通じて当該サービス以外の職務に従事しないことをいいます。
この場合のサービス提供時間帯とは、当該従業者の当該事業所における勤務時間をいうものであり、常勤・非常勤の別を問いません。
ただし、通所系サービスについては、あらかじめ計画された勤務表に従って、サービス提供時間帯の途中で同一職種の従業者と交代する場合には、従業者ごとのサービス提供時間を通じて当該サービス以外の職務に従事しないことをもって足りるとされています。
⇒ つまり、「提供時間帯を通じて専らサービス提供に当たる従業員を確保する」とは、「提供時間帯に当該職種の従業者が常に確保されるよう必要な配置を行わなくてはならない」ということです。 (人は交代しても構わないが、提供時間帯には常に、配置すべき職種の従業者が必要数いなければならない、ということ。)
定員10名以下の通所介護における介護職員・看護職員について補足
単位ごとに、サービス 提供時間帯に看護職員又は介護職員 (いずれも専ら当該 サービ スの提供に当たる者に限る。)が勤務している時間数の合計数をサービス提供時間帯の時間数で除して得た数が、1人 以上
※ 看護職員を配置する場合は、提供時間帯を通じて専従する必要はないが、当該看護職員は提供時間帯を通じて指定通所介護事業所と密接かつ適切な連携を図ること。
※生活相談員、看護職員又は介護職員のうち1名以上は常勤であること。